北朝鮮が韓国の宇宙資産を標的に、10年以上にわたり秘密裏に電波攻撃を繰り返してきた事実が、軍当局の確認で初めて明らかになった。
天文学的な費用を投じて打ち上げた我が軍の最先端偵察衛星が、物理的な破壊ではなく、目に見えない「電波妨害」によって視覚と通信を失う危機に直面している。
とりわけ、北朝鮮がロシアに兵力を派遣した見返りに高度な電子戦技術を受け取ったとみられる状況が次々に浮上し、朝鮮半島上空の安全保障環境に重い警告灯が点った。
数兆ウォン規模の宇宙資産を狙う見えない「電子戦」
16日、国会国防委員会所属のユ・ヨンウォン(国民の力)議員室が国防部から提出を受けた資料によると、北朝鮮軍は2010年代初頭から2024年にかけて我が国の衛星に対し複数回にわたって電波攻撃を試みていた。
これらの攻撃は、合成開口レーダー(SAR)衛星、電子光学・赤外線(EO/IR)偵察衛星、通信衛星など、我が国の軍事監視システムと民間衛星の通常業務を妨げることを目的とした多目的な挑発行為と分析される。
北朝鮮の電波攻撃の仕組みは、衛星を物理的に撃ち落とすのではなく、地上に設置した強力な妨害装置で衛星と地上局の送受信信号をかき消したり、変調する方式を取る点にある。
低軌道を周回する偵察衛星が地上へ撮影データを送るダウンリンク時に強力なノイズ信号を撃ち込みデータを破壊したり、地上局から衛星へ送る制御指令(アップリンク)を遮断して衛星を一時的に制御不能に陥らせる形だ。
実際、北朝鮮のこうした非対称的な電子戦は、すでに我が軍に実質的な被害を与えている。
2024年4月、西北島周辺で海軍のS-100偵察無人ヘリが北朝鮮側による衛星航法システム(GPS)妨害の影響を受けて墜落したのに続き、同年11月には無人偵察機「ヘロン」、12月にはKUS-9無人偵察機が相次いで方向を失って墜落するという異例の事態が発生した。
ロシアの後ろ盾を得て宇宙戦を公式化した北朝鮮、韓国の課題は
事態をさらに深刻にしているのは、ロシアの技術支援を受けて北朝鮮の電子戦能力が急速に高度化している点だ。昨年5月、韓国や米国など11カ国が参加する多国籍制裁モニタリングチーム(MSMT)は報告書で、ロシアが2024年11月以降、北朝鮮に電波妨害システムや関連装置を提供し、運用技術を伝授したと明らかにした。
国家情報院も昨年6月、国会情報委員会でロシアが北朝鮮への派兵の見返りとして電波妨害装置や技術助言を支援したと判断したと報告し、懸念を示した。
このような技術的自信を背景に、金正恩国務委員長は昨年2月の労働党第9回大会で「有事に敵国の衛星を攻撃するための特殊資産」や「指揮中枢を麻痺させる強力な電子戦兵器体系」を明言し、宇宙戦能力の強化を公式化した。
もし北朝鮮が高出力の電波妨害装置を用いて、朝鮮半島上空を通過する我が軍の偵察衛星を実戦で無力化すれば、その波及効果は計り知れない。
有事において、北朝鮮の移動式ミサイル発射台(TEL)や核施設の動向を事前に把握して攻撃するキルチェーンの「目」が、対立が始まる前に消失してしまうからだ。
さらに、無差別な電波妨害は民間航空機の離着陸遅延、漁船の遭難、通信網の麻痺など、日常生活と人命を脅かす災害へと波及する危険をはらむ。
膨大な資金を投じて打ち上げた先端資産が、地上から放たれた一条の電波で無力化されてはならない。衛星の抗妨害(アンチジャミング)能力を大幅に強化し、妨害源を即座に撃破できる包括的な防護策を整備することが喫緊の課題である。