ホルムズ海峡の危機、UAEが原油輸送再開!

イ・ヘジン | 2026.05.09

イランの攻撃リスクがある中、アラブ首長国連邦(UAE)と一部の原油購入国がホルムズ海峡を経由した原油輸送を再開したと伝えられる。位置追跡装置を切った状態でタンカーを航行させ、ホルムズ海峡に滞留していた原油を移動させていると外信は報じた。

8日(現地時間)、ロイター通信は業界関係者と船舶データを引用し、アブダビ国営石油会社(ADNOC)が先月、湾内のターミナルで超大型タンカー(VLCC)4隻を使い、少なくとも400万バレル規模のアッパー・ザクム(Upper Zakum)原油と200万バレルのダス(Das)原油を輸出したと報じた。

これらの貨物は船舶間の積み替え(STS)方式で別のタンカーに移され、その後、東南アジアの製油施設やオマーンの貯蔵施設へ運ばれ、一部は韓国の製油会社へ直接向かったとされる。

現在、ホルムズ海峡は米国とイスラエルによる対イラン攻撃以降、緊張が極度に高まっている。イランは2月28日以降、自国産の石油・ガスを除き海峡通過を事実上遮断し、これに米国の封鎖措置が重なったため、国際原油価格はバレル当たり100ドルを超えた。

この影響でADNOCの輸出量も落ちた。ケプラー(Kpler)のデータによれば、ADNOCは戦争以降、1日あたり100万バレル以上の輸出削減を記録した。昨年の1日平均輸出量は約310万バレルだった。

今回の輸送では、位置追跡用自動識別装置(AIS)をオフにする手法が使われた。これはイラン海軍の監視を回避するための措置で、イランが米国の制裁を回避する際に頻繁に用いるやり方と類似しているという。

実際、UAEは5日、イランがホルムズ海峡を通過していたADNOC所属の空荷タンカー「バラカ」号をドローンで攻撃したと主張した。

船舶の移動経路も確認されている。ケプラーの資料によれば、VLCC「ハピット」号は4月7日にペルシャ湾でアッパー・ザクム原油200万バレルを積載し、同月15日に海峡を抜けた。その後、貨物はギリシャ籍のVLCC「オリンピックラック」号へ移され、マレーシアのペンエラン製油施設へ運ばれた。該当製油施設はペトロナスとサウジアラムコの合弁事業である。

ダス原油200万バレルを積んだVLCC「アリアクモン1」号は4月27日に積載後、5月2日にホルムズ海峡を抜け、オマーンのラス・マルカズ貯蔵施設で荷下ろしされたとみられる。

また、スエズマックス級タンカー「オデッサ」号と「ジュジュN」号もそれぞれ100万バレル規模のアッパー・ザクム原油を積んで韓国に向かっていると伝えられる。

オデッサ号はホルムズ封鎖以降、海峡を通過して韓国へ入る初の事例だ。米国とイランの休戦でホルムズ海峡が一時的に開放された隙に脱出したタンカーが韓国に来るのはオデッサ号が初めてである。オデッサ号はイランが海峡を再封鎖する2日前の先月16日にUAEを出港し、翌17日に海峡を通過した。

オデッサ号は当日午前10時ごろ、陸地から約5km離れたHD現代オイルバンクの海上係留施設付近の海域に到着した。午後1時30分ごろに係留施設に接岸し、原油の荷下ろしを開始した。原油は海底パイプラインを通してHD現代オイルバンクの貯蔵タンクへ移される。

一方、ADNOCは一部顧客に対し、フジャイラやオマーンのソハールなど湾外の港でSTS方式によるダス・アッパー・ザクム原油の供給が可能であると通知したとされる。