共に民主党のキム・ヒョン議員
セキュリティ分野が新たな転換点に直面している。セキュリティ特化型の人工知能(AI)モデル「クラウド・ミトス」は、これまで発見されてこなかった脆弱性を自律的に見つけ出し、実際の攻撃に使えるコードまで生成している。AIは人間の判断支援を超えて、脆弱性を検出し攻撃経路を設計する段階に到達した。AIが問題解決の手段を超え、新たな“ハッカー”として出現しつつあるのだ。 この変化は技術進歩の観点で意義深いが、同時に深刻な問題も突きつける。脆弱性を発見する能力はセキュリティ向上に寄与する一方で、逆に自動化された攻撃を可能にする懸念がある。これは単なる技術的課題ではなく、国家安全保障や産業に対する根本的な脅威になり得る。とりわけAIベースの攻撃が金融システム、通信網、エネルギー施設といった国家の重要インフラを標的にした場合、その波及力はさらに大きくなる。こうした事情を受けて主要国はAIによるセキュリティリスクへの対応体制を点検しており、我が国でも関係省庁と産業界が連携して対応策の議論を始めている。
もう一つの問題は、高度なAIセキュリティ技術が特定の国や企業に集中する可能性だ。技術依存が深まるほど、国家の防衛力やセキュリティ能力は外部環境の影響を受けやすくなる。デジタル環境における自律性と安全性を確保するため、セキュリティ能力も戦略的に管理する必要がある。技術競争力は単なる産業問題ではなく、国家安全保障に直結する問題だ。
第一に、侵害の可能性を前提としたセキュリティ構造への転換が必要だ。従来のセキュリティは外部からの侵入を阻止することに重きが置かれてきた。しかしAIベースの攻撃は内部権限を迂回したり、正常な振る舞いを模倣して侵入することがあり得る。既に侵入が起きているという想定の下で、システムへのアクセス権を最小化し、情報資産を分離して被害を抑える設計が求められる。このアプローチは、個別システムの脆弱性がネットワーク全体の脅威につながるケースに有効だ。
第二に、AIによる攻撃に対抗するための自動化された防御システムが不可欠だ。AIベースの攻撃は極めて短時間で脆弱性を探索し攻撃を実行するため、手動対応だけでは対応しきれない。セキュリティシステムはリアルタイムで異常兆候を検知し即応できるよう設計すべきだ。特にデータ分析、セキュリティポリシー、対応手順が一体となって機能する統合型の防御構造が重要になる。
第三に、国家レベルでの統合的なセキュリティ政策の整備が必要だ。散在する規定を「AI基本法」や特別法で整理し、AIシステムの設計段階から安全性を確保する認証体制を導入すべきだ。さらに脆弱性の発見と改善活動を促進する制度的基盤を拡充し、国際的な情報共有体制にも積極的に参加する必要がある。AI技術は国境を越えて機能するため、対応も協力のもとで行うことが求められる。
AIは人間の生活を改善する重要な技術だが、同時に新たなリスクも生み出す。技術の進展が速まるほど、リスクはより複合的な形で現れる。新しい技術環境に適合する制度や政策を整備することはもはや選択ではなく必須だ。求められるのは技術を単に規制することではなく、安全に機能させるための制度的基盤の構築である。AIが自律的に攻撃を設計する時代に旧来のセキュリティ手法を守り続けていては、新たな脅威に対処できなくなる。
AIは人類に輝かしい革新をもたらしたが、一方で破壊的かつ秘匿性の高い武器を与えた面もある。AIが“ハッカー”になるインテリジェンス転換(AX)の時代に、進化する知的脅威に見合ったセキュリティの枠組みを再構築するゴールデンタイムが到来している。
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