
高インフレと景気低迷で外食需要が落ち込む中、食品業界は製品の垣根を越えた「異色コラボ」メニューを相次いで投入している。既に実績のある味を再解釈し、開発コストを抑えながら新規顧客を取り込む狙いだ。
農心、教村と手を組みポテトチップス醤油チキン味を発売…有名カフェとのコラボも
14日、業界によれば、コラボに最も積極的なのは農心(004370)だ。農心は教村チキンと組み、今月23日に「ポテトチップス 教村醤油チキン味」を投入する。
教村の醤油ソース特有の塩気とニンニクの風味を生かしたスナックで、定番ポテトチップスに人気外食メニューの味を取り入れた「ポシュランガイド」シリーズの一つに位置付けられる。農心は過去にエピックトッポッキ味やジャクソンピザ味のポテトチップスも展開している。
教村チキンも昨年、ドーナツで知られるノティッドと組んでチュロスを発売した。チキンと合わせて注文できるサイドメニューとして、香ばしいチーズ風味を効かせ、醤油や辛味系のチキンとの相性を狙った組み合わせだ。
大手食品企業とカフェブランドのコラボ例もある。ロッテウェルフード(280360)は昨年、抹茶メニューで知られるカフェ清水堂と協業し、ビンツやアーモンドボール、ペペロの抹茶味の季節限定商品を発売した。
中でもビンツの抹茶商品は発売から1か月ほどで約200万個を完売し、昨年末には「ビンツ プレミア 抹茶」として正式ラインアップに加えられた。

顧客層を共有して新規顧客を開拓、開発費を抑えて負担を軽減
ロッテウェルフードは他にも、アイスクリーム『パンパレ』のチョコミルク味をスナックに再解釈した『パンパレ ソフトスナック チョコミルク味』や、ロッテサンドに『ときめき』のミルクシェイクを組み合わせた『ロッテサンド ときめき味』を投入した。これらはすべてイーマート24の限定販売で人気を集めた。
人気メニューを別分野に展開することで、両製品の顧客層が共有され、新たな顧客獲得につながる。たとえば、ポテトチップス 教村醤油チキン味を買った消費者がその醤油ソースを気に入れば、教村チキンの注文につながる可能性がある。
また、『チキン味ポテトチップス』や『シェイク味サンド』のように馴染みのある味を意外な組み合わせにすることで、SNS上で話題になりやすい。ドゥチョンク(ドバイのもちもちクッキー)など新しい外食メニューは、SNSで拡散されるのが最近のトレンドだ。
消費低迷で食品業界全体の業績が落ち込むなか、実績のある味を活用することで新メニュー開発の失敗リスクを下げる効果も期待される。食品業界の研究開発費は通常売上高の約1%前後だが、原材料価格の上昇で積極投資に踏み切れない状況が続いている。
業界関係者は、コラボ製品は既存メニューの認知度を高めると同時に販売収益を分け合えるため、双方にとってウィンウィンだと指摘する。消費が落ち込むほど、新たな突破口を模索する事例は増えるだろう。