
ウルサン市は10日、ウルサン橋で開館式を行い、「世界食文化館」の運営を開始した。在住外国人には故郷の味を、市民には多様な食文化を体験する機会を提供することを趣旨としている。
仮設建築4棟規模で、イタリア、韓国(※注: 元記事では日本も記載されているが文脈に応じて表記を確認)・ベトナム・タイ・メキシコ・ウズベキスタンといった6か国の飲食店が入居している。ウルサン市は在住外国人が3万6千人に達する時代を迎え、文化交流の場として運営する計画だ。
しかし、現地で確認された価格は事業の趣旨から乖離しているとの指摘が出ている。イタリア館のペパロニピザ1枚が3万6000ウォン(約3,824円)、タイのチャーハンが1万5500ウォン(約1,646円)、メキシコボウルが1万4500ウォン(約1,540円)で、ウルサンの産業団地で働く外国人労働者が日常的に利用するには負担が大きいという反応が市民の間で上がっている。
開館式の会場でも価格問題が浮上した。事業者側はピザを4等分して切り売りする場合、1切れ当たり9000ウォン(約956円)になると説明したとされる。ウルサン市長のキム・ドゥギョムは「価格が高いという指摘があるため、調整が必要だ」という趣旨の発言をしたと伝えられている。
賃料も論点になっている。入居店舗の月額賃料は、近隣の城南洞の商圏の約10分の1にあたる30万ウォン(約3万1,866円)前後とされる。市は公共資産を活用した文化空間創出の趣旨から賃料を低く設定したと説明するが、公共支援や賃料優遇を受ける事業である以上、その恩恵が価格に反映され、市民に還元されるべきだという批判が出ている。加えて、実際にウルサンに居住する外国人の大多数を占める中国・フィリピン国籍の飲食が欠けている点も指摘された。
食を掲げた公的・民間の行事で価格を巡る論争が起きるのは今回が初めてではない。
昨年5月、釜山・機張(キジャン)のオシリア観光団地で開かれた「2025世界ラーメン祭」では、1人当たり1万ウォンの入場料が徴収されたが、15か国・2200種余りのラーメンが参加すると宣伝されていたのに対し、実際には国内外のラーメンが数種類しか出展されず、来場者から厳しい評価が相次いだ。
来場者の投稿によれば、熱湯が出ずラーメンを提供できなかった例や、無料とされていた駐車場が有料で運営されていた例が指摘された。最終的にポータルサイトの評価は5点満点中0.7点にまで落ち込み、主催者が代金を精算せず姿を消し、多数の参加業者が撤収する事態に至った。
このように、公的性格を標榜した食関連イベントで価格のつり上げや運営のずさんさが繰り返されていることから、事前の検証体制を整備する必要性が高まっている。ウルサンの「世界食文化館」については、賃料支援という公的な優遇が与えられた事業であるため、価格設定や運営基準に対する継続的な管理・監督が求められる。