
「ここで圧死するかもしれない。大騒ぎだ。」
2022年10月29日に警察と消防の状況室に入った12件の通報の録音が、13日の聴聞会場に流された。涙をぬぐい、抑えきれない叫びを漏らしていた遺族は、録音から切迫した通報者の悲鳴が聞こえると、声を上げて泣き崩れた。
10・29イテウォン惨事の真相究明と再発防止を目的とする特別調査委員会(特調委)の初の聴聞会は、この日午後8時42分ごろ、遺族の叫びと涙のなかで二日間の日程を終えた。
特調委はこの日、ソウル中区の銀行会館で聴聞会を開き、惨事への対応と収拾段階での失敗について質疑を行った。
聴聞会の最後のセッションを終えた直後、「傍聴人発言」の時間に遺族3名の発言を聞いた。
発言を申し込んだ遺族の一人は、イテウォン惨事は主催者や法令の不備、システムの問題だけで起きたものではないと指摘した。11件の圧死を指す通報があったにもかかわらず出動しなかった警察庁、災害を認識しながら即座に緊急救助統制団を稼働しなかった消防庁、群衆管理や交通規制など初動対応を適切に取らなかった龍山区庁、群衆の密集を把握していながら備えなかったソウル市、そして災害のコントロールタワーが欠如していた行政安全部など、国家行政の総体的な不備が招いた大惨事だと訴えた。
遺族の発言の後、聴聞会は最後の手続きとして、惨事当日に警察と消防が受けた通報の録音を公開した。12件すべての録音が遺族に公開されたのは今回が初めてとされる。
宋基春(ソン・ギチュン)特調委委員長は、録音再生の要請について「証人や参考人に聞かせたいという要請ではないか」と述べ、遺族の意向を改めて確認したうえで録音を再生した。
二番目の録音が終わるまでは静まり返っていた会場に、三番目の録音で「人が押し寄せて倒れ、事故が起こりそうだ」との声が入った瞬間から、嗚咽する遺族の泣き声が断続的に聞こえ始めた。
続く録音で「人が多すぎてほとんど圧死しそうだ」「今、みんなが押し寄せている。緊急出動が必要だと思う」といった通報者の声が聞こえると、遺族たちは小さくため息をつき、眼鏡を外して涙をぬぐった。
映像なしで声だけが再生される場面でも、空白の画面すら見られないかのように頭を垂れたり横を向いたりして席に留まる遺族もいた。
録音ごとに「人が多すぎる」「出動する」といった言葉が繰り返されると、遺族たちからは抑えきれない泣き声混じりのため息が漏れた。
18分間にわたって12件の音声が流れるなかで、後半に進むにつれて通報者の声は切迫し、遺族の泣き声も大きくなった。11番目の録音で「圧死したかもしれない。大騒ぎだ」という通報に続いて悲鳴が聞こえると、遺族たちはかすれた声で声をあげて泣き始めた。
録音の再生が終わると、遺族たちは証人席に座る朴熙英(パク・ヒヨン)龍山区庁長、崔成範(チェ・ソンボム)龍山消防署長、金義勝(キム・ウィスン)前ソウル市行政1副市長ら8人に向かって「あれが人間か」「うちの子を返せ」などと罵声を浴びせた。壁に向かって手にしていたペットボトルの水を投げつけたり、証人に突進しようとして制止される遺族もいた。
ある遺族は「どうしてそんなことができるんだ」と言いながら李民(イ・ミン)委員に突進しようとしたが現場関係者に制止され、床に倒れて絶叫した。その遺族は救急隊が担架を入れてくると「子どもも送ったのに、こんなの耐えられない」と嗚咽した。
国民の力の特調委員である李民委員はこの日、特調委とは無関係の質疑で遺族の抗議を受け、委員長から自制を求められる場面があった。
録音は聴聞会の最後のセッション「何を変えるべきか」に関する質疑と傍聴人発言の直後に再生された。該当セッションの証人として参加した朴熙英龍山区庁長、崔成範龍山消防署長、兪承宰(ユ・スンジェ)前龍山区副庁長、崔元俊(チェ・ウォンジュン)龍山区安全災難課長、黄義賢(ファン・ウィヒョン)龍山区庁安全災難課主務官、金義勝ソウル市行政1副市長(退職)、韓在賢(ハン・ジェヒョン)ソウル市行政2副市長(退職)、李承福(イ・スンボク)ソウル市安全総括課長らは証人席で録音をともに聞いた。録音再生の終了直後、宋委員長が午後8時42分ごろに休会を宣言し、聴聞会場を後にした。
