家の中の危険、暴力の連鎖を断て!

キョンギイルボ | 2026.05.12

パク・ジュウン 生涯周期と政策研究所長
パク・ジュウン 生涯周期と政策研究所長

3日、蔚山のマンションで60代の男性が離婚した元妻を殺害し、自ら命を絶った事件は大きな衝撃を与えた。被害者は過去に家庭内暴力やストーカー被害を複数回受け、スマートウォッチが支給され、加害者には電子足首監視装置が装着されるなど国家による保護措置が講じられていた。それでも悲劇は防げなかった。危険な兆候が繰り返され、公権力が介入したにもかかわらず、親密な関係から生じる執着や暴力の連鎖を断ち切るには限界があることが示された。


家庭内暴力は、一般的な暴力事件とは異なる独特で致命的な危険性を持つ。暴力が発生する場所は最も安全であるはずの「家庭」だ。加害者と被害者が親密な関係にあることが、その危険性を一層深める。


被害者は報復への恐怖だけでなく、経済的依存、子どもの問題、「家事」として片付けられる社会的な視線などにより、外部に助けを求める際に強い心理的障壁を抱える。今回の事件のように、離婚後に残した荷物を取りに行った女性が惨事に遭った例は、関係を断ち切ろうとする瞬間がむしろ最大の危険であることを示す。家庭内暴力は被害者の生存権を脅かす重大な犯罪である。


仁川も例外ではない。仁川は人口比で見た家庭内暴力の通報率が全国上位にある。


通報率の高さは市民の暴力への感受性や、公権力に助けを求める意志の強さを示す一方で、それだけ多くの市民が家庭内で安全を脅かされている表れでもある。しかし通報数に比べ、刑事処罰に至る件数や被害者が専門支援機関と適切に連携される割合は依然として低く、改善の余地が大きい。


この現状に対し、仁川はより緻密で実効性のある「仁川型被害者支援体制」の構築を急ぐべきだ。


まず必要なのは、分断された支援体制を一体化する統合的な対応だ。相談所、保護施設、警察、法律支援などを初期通報段階から自立に至るまでワンストップでつなぐ広域単位のコントロールタワーを強化すべきである。特に今年から進められる行政体制の改編過程では、地域間の格差がない安全インフラを整え、物理的にアクセスが困難な死角に対しては訪問型の相談サービスを拡充する必要がある。


施設の機能強化も不可欠だ。仁川では被害者が緊急に避難できる家族保護施設が不足しており、住居支援施設の供給も全国平均に達していない。被害者が加害者と隔離された後も安定して自立準備を進められるよう、保護施設を拡充し、専任弁護士の支援制度などをさらに強化するべきだ。また、警察と連携して再発リスクのある家庭へのモニタリングを強化し、スマートウォッチなどの身辺保護策が現場でどのように機能しているかを常に点検する必要がある。


家庭内暴力を終わらせるには、加害者の処罰だけでは不十分だ。被害者が暴力の影から抜け出し、自らの生活を回復できるよう、社会全体が支援基盤となることが不可欠である。


蔚山の悲劇が突きつけた課題は重い。国家と地域社会が介入したにもかかわらず生じた隙間を埋めるため、仁川はさらに細やかで強力な支援体制を整備しなければならない。最も安全であるべき場所で涙を流す人がいない都市、それが未来都市としての仁川が目指す真の姿である。