春の食材で健康を守る!今が旬の食材とは?

ウィキツリー | 2026.04.20

春は食事を見直す好機だ。冬の間に偏りがちだった食習慣を切り替え、新鮮な旬の食材を取り入れるのに最適な季節である。旬の食材は栄養密度が高く鮮度も良好で、価格も比較的安くなるため取り入れやすい。日常の献立に手軽に加えられる、春を代表する健康食材を整理した。

アスパラガスの資料写真 / Volodymyr TVERDOKHLIB-shutterstock.com

アスパラガス、4〜5月が最もおいしい

アスパラガスの旬は4月から5月。この時期に収穫されたものが最も柔らかく、甘みが強い。栄養面では食物繊維やビタミンA・C・K、葉酸が豊富だ。特に葉酸は心臓の健康や血液細胞の再生に不可欠で、150gのアスパラガスには1日の推奨葉酸摂取量の約60%が含まれている。妊娠初期の神経管欠損予防にも重要な役割を果たすことが知られている。

調理法は多彩だが、最も手軽なのはグリルやフライパンで焼くことだ。オリーブオイルを少量回しかけ、塩を振るだけで十分においしい。卵との相性も抜群で、塩水で約3分茹でて冷水で冷やしたアスパラガスに目玉焼きやポーチドエッグを添えれば、手間をかけずに満足できる一皿になる。レモン汁とオリーブオイルを加えればより爽やかに楽しめる。パスタやサラダに入れても合うし、ピザのトッピングにも向く。

注意点は保存性が低いことだ。収穫後に時間が経つとサポニンによる苦味が出やすい。ペットボトルなどに水を少量入れてアスパラガスを立てて冷蔵保存すると数日間は鮮度を保てるが、できるだけ買ってすぐ食べるのが味と栄養の両面で有利だ。

イチゴ、春に食べると抗酸化成分が増す

イチゴの資料写真 / oksanatukane-shutterstock.com

イチゴの旬は冬から春にかけてだ。ハウス栽培技術の発展で初冬から出回るようになったが、研究では春になるほど抗酸化物質の含有量が増える傾向が示されている。農村振興庁の施設園芸試験場の研究によれば、春のイチゴはアントシアニン含量が急増する傾向があり、国産品種「설향」の場合は春に最も抗酸化活性が高まるという。

栄養面を見れば、イチゴは果物の中でもビタミンC含量が突出している。100gあたり約80mgで、ミカンの1.5倍、リンゴの10倍に相当する。イチゴを5〜6個食べれば成人の1日分のビタミンCを補える。ビタミンCは免疫力を高め、皮膚のメラニン生成を抑えるのに役立ち、サプリより天然の食材から摂る方が吸収効率が高いとされる。

赤い色素のアントシアニンとカテキンが相乗して強力な抗酸化効果を発揮する。アントシアニンは網膜細胞の再生を促し、目の疲れを軽減する効果もある。週に3回以上継続的にイチゴを摂取すると心疾患リスクが低下するという報告もある。ソーク生物学研究所の2017年の研究では、イチゴに含まれるピセチンがアルツハイマーなど神経変性疾患の予防に資する可能性が示された。

食べ方にも工夫が必要だ。イチゴは皮が薄いため洗い方に注意する。ヘタを先に取るとビタミンCが水に流れ出すので、ヘタを付けたまま流水で軽く洗い、食べる直前にヘタを取るのが望ましい。砂糖をかけるとビタミンB1や有機酸が多く消費され栄養効率が下がる。牛乳と合わせると、イチゴに不足しがちなたんぱく質を補え、イチゴの有機酸が牛乳中のカルシウムや鉄の吸収を助ける相乗効果が期待できる。

グリーンピース、ご飯に入れるだけではない

グリーンピースは3〜4月に播種して6月に収穫する春の代表的な豆類だ。植物性たんぱく質、食物繊維、ビタミンをバランスよく備え、満腹感が持続しやすい。カロリーが低く脂質も少ないため、ダイエット向きの食材としても重宝する。

たんぱく質のほかにビタミンA・C・Kや抗酸化物質が豊富で、植物性のオメガ3やビタミンB1を含み、脳の働きを支えるとの報告もある。レシチンは記憶力の向上に寄与する可能性がある。緑色の色素であるクロロフィルは血中の有害物質を浄化し、血圧の安定化に役立つとされ、食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える。

利用法はご飯に混ぜるだけでなく幅広い。サラダに加えれば食感が増し、ペーストにしてソースやスープに使うと意外にリッチな味わいになる。グリーンピースのスープは、オリーブオイルとにんにく、玉ねぎを炒めた後にだしを加えグリーンピースを煮て、ブレンダーで滑らかにすればよい。茹でる際は沸騰した湯に塩を少量入れて手早く引き上げるとビタミンの損失を抑えられる。ただし青酸配糖体を含むため、1日40g以上の過剰摂取は下痢や腹痛を招く恐れがあるので適量を守ることが重要だ。

ほうれん草、早春が最も甘く栄養価が高い

ほうれん草の旬は冬から早春にかけてだ。寒さで凍結と解凍を繰り返しながら育った早春のほうれん草は糖度が上がり、栄養密度もピークに達する。春を過ぎて気温が上がると育ちにくくなるため、この時期に食べておきたい野菜である。

ほうれん草の資料写真 / krolikova-shutterstock.com

ほうれん草の代表的な成分はルテイン、ゼアキサンチン、ベータカロテンの三つで、これらは網膜の中心部に蓄積して日光やブルーライトから目を守る役割を果たす。アメリカ・ハーバード大学の研究チームが45歳以上の看護師7万余人を12年間追跡した結果、ルテインとゼアキサンチンを十分に摂取した人は摂取しなかった人に比べて白内障手術を受ける確率が22%低かった。ハーバード大学と国立がん研究所の報告では、ほうれん草は加齢性黄斑変性の発症リスクを35%低減するとの結果も示されている。

心臓の健康にも寄与する。ほうれん草は天然食品の中でも硝酸塩含量が多い部類に入り、体内で硝酸塩は一酸化窒素に変わって血流を改善し血圧を下げる働きがある。カリウムはナトリウムの排泄を促して血圧上昇を抑え、ビタミンKは血管にカルシウムが沈着するのを防ぐ。

調理は沸騰した湯に塩を入れて蓋を開けたままさっと茹でると苦味が和らぎ、栄養損失も最小限に抑えられる。和え物にする際はごま油や菜種油を加えると脂溶性ビタミンAの吸収率が高まる。シュウ酸がカルシウム吸収を阻害するため、カルシウム摂取が不足しがちな人はごまや豆腐などと合わせて食べるとその問題を軽減できる。収穫後1日で栄養価が半減することもあるため、可能な限り早めに消費するのが望ましい。

このほか注目したい春の食材

アーティチョークは国内ではまだ馴染みが薄いが、地中海地域では古くから一般的な食材だ。春が旬で、1個あたりのカロリーは約30kcalと低く、食物繊維やミネラルが豊富。含まれるシナリンは体内の脂肪蓄積を抑えるとされ、フラクトオリゴ糖は腸内の有益菌の餌となって腸内環境の改善に寄与する。購入の際は花芽が開いていない、ずっしりと重くしっかりしたものを選ぶと良い。

ルッコラは独特のほろ苦さがサラダのアクセントになる春の葉物だ。ビタミンKやカルシウムが豊富で骨の健康に役立つ。ブラックベリーはアントシアニンとビタミンCが豊富な春のベリー類で、少量でも効率的に抗酸化成分を摂取できる。ベビーリーフは成熟した葉物より栄養密度が高く苦味も少ないため、サラダにそのまま使いやすい。

旬があるのは理由がある

「旬の食材を食べよう」という勧めは単なる慣用句ではない。旬に収穫された野菜や果物は収穫後の長距離輸送や保存期間が短く、鮮度や栄養の損失が少ない。さらに旬は供給が豊富で価格も下がる。アスパラガスやグリーンピースのように、収穫直後に栄養価が急速に落ちる食材は旬に合わせて買うのが栄養面で有利だ。

健康的な食事を作るのに大げさな計画は不要だ。イチゴ5〜6個で1日のビタミンCを補い、ご飯にグリーンピースを一握り加え、アスパラガスを数本グリルで焼くだけで、春らしい食卓へと変わる。