ナポレオンも愛した!「金色のワイン」ベルディキオの真実

変ジヒ記者 | 2026.03.14

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18世紀末、ヨーロッパは大きな激変期にあった。革命の渦の中で権力を握ったフランスのナポレオン軍はアルプスを越えてイタリアに侵攻し、北から中部へと急速に勢力を拡大した。

18世紀後半、フランス軍がイタリア中部マルケ地方を通過していたころのことだ。ぶどう畑を覆う黄金色の光景に兵士たちの足が止まったと伝わる。このぶどうから造られたワインを味わった兵士たちはそれを「金のように輝くワイン」と呼んで楽しんだという。その後、フランス軍がこのワインを瓶に詰めて持ち帰ったことで、さらに広く知られるようになった。今日ヴェルディキオとして知られる、マルケ固有の品種で造られたワインだった。

ヴェルディキオの名は、緑を意味するイタリア語「ヴェルデ(verde)」に由来する。爽やかな酸味とミネラル感を持つ品種で、イタリア中部マルケを代表する白ワイン用ぶどうだ。

だが、かつてヴェルディキオは高級ワインとは見なされていなかった。とくに1960〜1980年代は、古代ローマの壺を模した「アンフォラ」瓶に詰めて販売され、観光客向けの大衆的な食卓用ワインとして広く知られていた。

こうした評価が変わり始めたのは1970年代以降だ。一部の生産者が収量を抑え、ぶどう畑の個性を際立たせる醸造に転じたことで、ヴェルディキオが単なるデイリーワインではなく、構造と熟成のポテンシャルを備えた白ワインであることが明らかになった。

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この変化の中心にいる生産者の一つがウマーニ・ロンキだ。1957年設立のこのワイナリーはマルケを代表する生産地で、ヴェルディキオとモンテプルチアーノを軸にワインを造ってきた。現在は創業者マッシモ・ベルネッティとその息子ミケーレ・ベルネッティが共同で経営している。

ウマーニ・ロンキはイタリア全土で18の名門ワイナリーのみが参加する協会「グランディ・マルキ」のメンバーでもある。アンティノリやガヤなどイタリアを代表するワイナリーが名を連ねる同協会は、ウマーニ・ロンキを「最良の土壌を見つけ、最先端の醸造技術を試し、豊かなぶどう栽培の伝統を基盤にワインの官能的特性を最大化する生産者」と評している。

現在、ウマーニ・ロンキはステッリ・ディ・イエジ、コネロ、アブルッツォの3地域にまたがり約210ヘクタールのぶどう畑を保有する。すべての畑は有機農法で栽培され、年間約290万本を生産。20種類以上のワインを展開し、60か国以上に輸出しており、総生産量の約70%が海外向けだ。

ウマーニ・ロンキはヴェルディキオの品質を世界水準に引き上げる上で重要な役割を果たしてきたと評価される。その代表作が「カザル・ディ・セッラ(Casal di Serra)」だ。カザル・ディ・セッラは「セッラの丘の農家」を意味する。1980年代後半、白ワインとしては異例のシングルヴィンヤードの概念を導入し、特定区画のぶどうのみを使用して品種本来の凝縮感を強調。白ワインでありながら比較的長期の熟成に耐えるスタイルを実現した。

このワインの畑は標高約200〜350mの丘陵地にあり、石灰質と粘土が混じる土壌でぶどうが育てられている。樹齢は概ね8〜30年で、糖度と酸度のバランスを見て9月末から10月初めにかけて手摘みで収穫される。

収穫したぶどうは優しく圧搾され、ステンレスタンクで約16〜18度に保って発酵される。その後約5か月間、酵母とともに熟成させて質感と複雑味を加える。一般にマロラクティック発酵は行わず、フレッシュな酸を保つスタイルだ。

カザル・ディ・セッラは100%ヴェルディキオで造られる。香りは野生花の強い芳香と、桃やアプリコット、リンゴなど黄色い果実のニュアンスが感じられる。口中では新鮮さと旨味がほどよく調和する。オーブンやグリルで焼いた魚料理、ローストした白身肉、フレッシュチーズとよく合う。

ウマーニ・ロンキはイタリアのワインガイド「ガンベロ・ロッソ」から「2024年のワイナリー」に選ばれた。また、カザル・ディ・セッラ2022ヴィンテージはWine Spectatorの「2024年トップ100ワイン」に選出された。このワインは国内でも「2025年韓国酒類大賞」旧大陸白ワイン部門で大賞を受賞している。国内輸入元はレバンだ。