「勝利の裏には隠された真実がある」舞台が語るインチョンの歴史

キム・ダニエル | 2026.04.12

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「ウェルカム・トゥ・仁川。」

公演は舞台からではなく、客席から始まる。

結婚を控えたカップルと不動産仲介人の会話が、客席の階段を下りながら続く。

新居を探しに来たカップルに不動産仲介人が「仁川へようこそ」と声をかけ、俳優たちが観客の間を抜けて舞台へ向かう。

動線は短いが、舞台と客席の境界が曖昧になり、観客が自然と物語に引き込まれる。

先日11日に仁川文化芸術会館小ホールで幕を開けた仁川市立劇団の『ニダリが仁川を知っている¿!』は、仁川の多様な姿と歴史を場面ごとに紡いだ作品だ。

結婚を控えたカップルの会話を軸に、時空を行き来する構成で都市の多面的な表情を浮かび上がらせる。

幕が開くと、仁川の見慣れた風景や場面が次々と舞台に現れる。

ビリヤード場を背景にした場面で「仁川のビリヤードはしょっぱい」という台詞が出ると、客席のあちこちから笑いが起きる。

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場面ごとに表現手法が異なる。

モクバイカを扱う場面では小道具で木が形作られ、空間が満たされる一方、ケンイブリ村の物語は影絵で表現される。

ジャージャー麺の場面では、料理人たちの手さばきや身振りがリズムを生み、活気を添える。仁川の海辺のサイダーを紹介する場ではラップが加わり、場面のテンポが一段と上がる。異なる手法が連なり、場面ごとの質感が変化する。

場面転換ごとに映像の中の犬が顔を出し、物語のつながりを担う構成も印象的だ。

公演の流れは仁川上陸作戦を描く場面で転換する。「勝利の裏には隠された物語がある」という台詞とともに、戦争の陰が浮かび上がる。

椅子を用いた演出は民間人の犠牲を想起させ、舞台の緊張感を高める。笑いの流れはこの場面で断ち切られる。

その空気は、仁川のマッチ工場の場面へと引き継がれる。

女性労働者の生活が舞台に置かれ、「ご飯を食べる時間も、トイレに行く時間もなかった」という台詞は、単なる再現を超え当時の状況を凝縮して伝える。

公演後の観客との対話で、イム・ドワン仁川市立劇団芸術監督は「今私たちが仁川に存在するのは過去の歴史の上に続いてきた結果だ」と語り、「女性労働運動の出発点であり、韓国の近代化に大きく貢献したマッチ工場の話も伝えたかった」と述べた。

公演は19日まで仁川文化芸術会館小ホールで続く。

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/チョン・フェジン記者 hijung@incheonilbo.com