軍務員の礼儀が引き起こす危機とは?

チョン・ヒョンテ記者 | 2026.05.06

軍務員
軍務員の人材流出 / 出典:聯合ニュース

「私は公務員試験を受けて入った軍務員なのに、いったいなぜ部隊の中隊長に軍人のように敬礼しなければならないのか」

先ごろ、ある職場の匿名コミュニティにある軍務員掲示板へ投稿されたこの短い問いが、予備役と現役の幹部の間で礼遇をめぐる激しい論争に火を付けた。

9級で新規採用された投稿者は、階級章を付けた軍人ではないにもかかわらず、部隊内で将校と会うたびに敬礼を強要される兵営の慣習に納得がいかないと訴えている。

制服を着ない軍人か、単なる公務員か

軍務員の敬礼をめぐる論争の根底には、現役軍人と軍務員という二つの集団が同じ空間で働くことによって生じる身分や待遇の曖昧さがある。

国防部
軍務員の人材流出 / 出典:聯合ニュース

現行法令上、軍務員は国防部所属の特定職公務員だ。軍刑法の適用を受け、軍事裁判の対象となる場合もあるが、軍人に付与されるような明確な「階級」は与えられていない。

規定上、軍務員は現役軍人に対して上司や部下ではなく、相互の尊重と協力の対象と規定されている。実務上は9級の軍務員が下士官や初級将校程度の扱いを受け、5級の軍務員は佐官級将校に準じた扱いを受ける、といった内部の待遇基準表が存在する。

問題は、その基準表が給与や福利厚生の基準にすぎず、誰が誰に敬礼すべきかという明確な序列を示していない点だ。

現場の前線部隊での慣行は規定と大きく異なる。部隊指揮官や経験のある幹部は、軍務員を事実上「私服の下位軍人」のように扱うことが多い。

軍務員
軍務員の人材流出 / 出典:聯合ニュース

例えば中隊長という尉官級の将校が出勤する際、下位の職級に当たる軍務員が軍隊式の敬礼をしなければ礼儀がないと指摘することがある。一方で兵士の前では5級の軍務員が通りすぎても敬礼すべきか迷う、といった混乱が日常的に起きている。

曖昧な規定が生んだ部隊内の士気低下

こうした身分や待遇のズレは単なる礼儀の問題を超え、軍務員の離職を加速させる引き金となっている。

安定した公務員という職を期待して入隊した若い軍務員たちにとって、銃器が支給され当直勤務を命じられるだけでなく、軍隊式の上下関係や敬礼までも強要される部隊の雰囲気は深刻な士気低下を招く。

前線部隊の行政や整備を担う軍務員が自らを二等の軍人と感じ、疎外感を抱けば、それは後方から戦闘部隊を支える行政力や物資支援網の漏れにつながる恐れが大きい。

軍務員
軍務員の人材流出 / 出典:聯合ニュース

軍人でないという理由で住居支援や各種手当から除外される一方、統制や礼儀に関しては現役軍人と同じ基準を押し付けられる制度が、早期退職を助長しているのだ。

もちろん、上下関係と規律が命の軍隊組織において秩序だった指揮体系の確立は不可欠だ。しかし非戦闘要員である軍務員にまで慣性的な軍隊式礼儀を強いることは、かえって構成員間の不必要な感情対立を生むだけだ。

変化する兵営環境に合わせ、現役と軍務員の職務役割と礼遇基準を現実的に再定義するための詳細な指針を整備することが急務だ。