
シューマンとクララの恋は始まりから劇的だった。シューマンは師フリードリヒ・ビーク教授のもとで学ぶうちに、教授の娘クララを愛するようになった。クララはすでにピアニストとして注目を浴びており、ビーク教授は無名のシューマンに娘を託すことを望まなかった。それでも二人の愛を止めることはできなかった。
こうして二人は夫婦となり、シューマンはやがてドイツを代表する作曲家へと成長した。そこへ幼いブラームスが彼らの家に迎えられる。シューマンは弟子の才能を妬むことなく、むしろ称賛して自らの後継者に推した。しかしブラームスは、師の妻で自分より14歳年上のクララに同情の念を抱いた。ブラームスは、シューマンの支援のせいでピアニストとしての道をあまり歩めなかったクララを気の毒に思ったのだ。その頃シューマンはうつなど精神疾患に苦しみ、やがて世を去った。シューマンの死後、クララはさらに40年を生き、〈シューマンの妻であり続ける〉という決意を貫いた。ブラームスもクララを尊重しつつ師シューマンへの礼を失わなかった。生涯独身を通し、シューマン夫妻の子どもたちの後見人となって毎月生活費を送った。そしてクララが亡くなった翌年、ブラームスも世を去った。
演劇『シューマン』は、シューマン夫妻の二章のうち後半に焦点を当てる。身体が衰え、威信が揺らぐ晩年のシューマンはやや神経質で気難しい人物として描かれる。しかし彼はあえて自らのものを守ろうともがかない。影の中で生きてきたクララへの償いを見せ、ブラームスに自分の居場所をすべて譲る決意を固める。妻へのブラームスの感情を十分に承知しながらも目を逸らさず、感情を整理して芸術を守り、むしろ彼らを守ろうと努める姿が描写される。

『シューマン』はクラシックの専門知識がなくても楽しめる。シューマンがクララのために作曲した「詩人の恋(詩人の愛)」は叙情的であり、ブラームスがクララと共に演奏する「ハンガリー舞曲」は情熱的だ。二曲の情緒は、年輪を重ねた中年のシューマンと若々しく気概に満ちたブラームスの対比ほどの隔たりがあるが、クララという人物に向けて二人が抱く愛の形を示し、その大きさを証明するには十分である。
そしてシューマンとクララ、さらにブラームスは決して一線を越えることなく、それぞれの立場で関係と人生に光沢を与えている。後に彼らのあり方が「世紀の不倫」ではなく「世紀の愛」として語り継がれる理由である。
一方、パク・サンミンのほかにチョン・エヨン、キム・ジョンファ(クララ)、キム・イダム、オ・スンユン(ブラームス)らが参加した『シューマン』は12日までソウル・大学路のザ・グッドシアターで上演される。