【警告】警察情報部門の復活、危機の兆しか!

論説審議室 | 2026.03.17

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昨年、政府が警察の情報課を2年余りぶりに復活させると表明した際、懸念が噴出した。政府が掲げた名分は、昨年のカンボジアでの大学生拉致事件のような越境犯罪に対応する必要があるというものだった。しかし、違法な監視や選挙介入という黒歴史を持つ警察情報課の復活は、「民主」や「人権」を掲げてきた現政権の性格と相いれない上、時代の流れにも逆行すると批判されている。進歩系の市民団体も強く反発した。それでも政府は2月から各警察署に1400人余りを情報官として新たに配置する組織改編を強行した。これにより警察内の情報・外事人員は3000人余りに達している。

さらに、アジアトゥデイの単独報道によれば、警察庁は今後、情報官1人当たりが毎月報告すべき情報収集件数を、現行の最低2件から4件に引き上げる方針だ。単純計算すれば毎月最低1万2000件(3000人×4件)の警察情報が集められることになる。評価で下位15%は人事面で不利益を被るとされ、警察署間や情報官個人間の競争が激化する中で、攻撃的で網羅的な情報収集が本格化するのは火を見るより明らかだ。情報収集の対象基準も「公共の安寧」や「警察の課題」とされ、きわめて曖昧である。事実上、ほとんどの情報が収集対象になり得る。

競争が激化すれば、市民団体が懸念する通り、情報官は警察に対する統制権を持つ与党や政権中枢の意向に沿う情報を集める公算が大きい。与党が政権維持や選挙、世論の動向に神経を尖らせるのは容易に予想できる。情報官たちがそれを知らないはずはない。意図的でなくとも網羅的な収集が進めば、政治家の動向だけでなく、社会的に影響力を持つ個人の私生活まで対象になる可能性がある。

深刻なのは、こうした情報の独占や警察による変則的・違法な情報収集を抑える手段が見当たらない点だ。国家警察委員会は存在するが調査権限を持たず、政治的独立性も担保されていないため、実効性は疑問視されている。すでに文在寅政権時に国家情報院の国内情報担当組織は完全に解体された。その結果、検察の権限縮小で捜査権が警察に集中しただけでなく、国内情報収集を抑制・検証する競合組織も存在しない。各国の事例を見ても、特定機関に情報収集権限が集中すると、権力に都合の良い情報の量産や民間人監視といった弊害が生じてきた。

もともと警察の巨大化を警戒する声は強い。そこへさらに情報収集のドライブが加われば、政治的悪用やプライバシー侵害といった過去の悪夢が再来する恐れがある。まず収集対象を犯罪と治安に限定し、今からでも警察の情報権限に対する抑制装置を整備すべきだ。