価格・燃費・空間を重視する消費の拡大
ニロ・セルトスなど実用志向SUVの需要拡大

韓国のスポーツユーティリティ車(SUV)市場で「価格対性能比」の競争が本格化している。価格に対する商品性と実用性を重視する消費トレンドが広がる中、完成車メーカーは合理的な価格と燃費、空間活用を打ち出す実用志向のSUVを相次いで投入している。
30日、業界によると最近のSUV市場では高価格のプレミアムモデルよりも、価格に見合った性能と実用性を強調する車種が消費者に選ばれている。広い室内空間や高い視界、各種先進機能といったSUVの特性が、実利を重視する消費傾向と合致しているためだ。
完成車メーカーもこの流れに合わせてコストパフォーマンス戦略を強化している。ルノーコリアはハイブリッドパワートレインを搭載したクロスオーバー『フィランテ』を発売し、市場攻略に乗り出した。ハイブリッドシステムと先進運転支援機能を備えつつ、環境車の税制優遇基準で4331万9000ウォン(約459万8,312円)からの価格帯を打ち出し、価格対商品性を訴求している。

KGモビリティ(KGM)は初のハイブリッドモデル『トーレス ハイブリッド』を投入し、競争に加わった。この車は3000万ウォン(約318万4,500円)台の価格帯とおおむね15km/ℓ前後の燃費を訴求し、実用性を前面に出すモデルだ。シボレーの小型SUV『トレイルブレイザー』も代表的なコスパ志向のモデルとされる。2000万ウォン(約212万3,000円)台後半から設定される比較的手頃な価格とSUVならではの空間活用を武器に、安定した需要を保っている。
起亜も実用志向のSUVラインナップを強化している。起亜が最近販売契約を開始した『ザ・ニューニロ』は、環境車税制の優遇基準でトレンディ2885万ウォン(約306万2,428円)、プレステージ3195万ウォン(約339万1,493円)、シグネチャ3464万ウォン(約367万7,036円)という価格設定だ。複合燃費は20.2km/ℓ程度で、燃費競争力のあるハイブリッドSUVに位置づけられる。もう一つの小型SUV『ディ・オール・ニュー・セルトス』もコスパ戦略を前面に出すモデルで、ガソリン仕様は2477万ウォン(約262万9,336円)から、ハイブリッド仕様は2898万ウォン(約307万6,227円)から販売される。こうした合理的な価格、燃費、室内空間を備えたSUVの増加は、消費者の選択基準を変えている。

電気自動車や中古車でもコスパ志向のSUVが主流となっている。ボルボ自動車コリアは純電気SUV『EX30』と『EX30 クロスカントリー』(EX30CC)の公式販売価格を3月から引き下げた。これによりEX30のコアトリムは従来の4752万ウォン(約504万4,248円)から3991万ウォン(約423万6,447円)へ、761万ウォン(約80万7,802円)の値下げとなった。EX30ウルトラとEX30CCウルトラもそれぞれ700万ウォン(約74万3,050円)の値下げがなされ、4479万ウォン(約475万4,459円)と4812万ウォン(約510万7,938円)で販売されている。いずれも環境税制の優遇を適用した価格であり、電気自動車向け補助金を加えれば実質の購入価格はさらに下がる。
現代自動車のネッソ(NEXO)は新車時の出荷価格が7000万ウォン(約743万500円)超だが、中古市場では大きく減価しており、実際の購入負担は大きく低下している。中には1500万ウォン(約159万2,250円)台で取引される個体もあり、中型SUVのフルオプション車を比較的安価に入手できるとの認識が広がっている。
専門家は自動車市場の消費基準が急速に変化していると分析する。業界関係者は「SUV市場の競争は単なる車級の争いではなく、価格に見合う商品性の争いに移行している。燃費や空間活用、維持費までを考慮したコスパ志向のSUVが市場の主導権を握る可能性が高い」と指摘した。