絶体絶命の乗客急増!一度は体験したい「ハンガンバス」

ジンヒョンウ | 2026.05.11

汝矣島船着場で乗船を待ちながら「ハンガンラーメン」を味わえる

ハンガンバスは電気船とハイブリッド船の2種類で運航

3月の全区間運行再開以降、累計乗客数が16万人を突破

市はハンガンバスの利便性向上に着手…急行路線がない点は課題

8日、ハンガンバスが汝矣島船着場を出発する様子。

今年3月にハンガンバスの全区間運行が再開されて以降、利用者は急増している。とくに春の行楽シーズンに入り、ハンガン(漢江)への外出需要がそのままハンガンバスの利用につながっている。澄んだ5月の青空の下、漢江を横切る交通手段を体験するため、記者は8日午前に汝矣島船着場から麻谷(マゴク)船着場まで往復でハンガンバスに乗った。


船着場周辺の利便施設が充実…待ち時間を有効に使える


汝矣島発、麻谷行きの最初の便は午前11時13分発だった。人気の高まりを反映してか、出発の40分前には市民や観光客が案内員に運行時間を尋ねる姿が見られた。


出発までの40分を退屈せずに過ごせる設備が整っているのが汝矣島船着場の特徴だ。自分で「ハンガンラーメン」を作れるコンビニがあり、2階には大型カフェも入っていて、広がる漢江の景色を眺めながら乗船を待てる。


午前11時8分、ハンガンバスが着岸すると乗船が始まった。金曜午前ということもあり、観光客のほか有給休暇を取った会社員、「金曜の空き時間」を利用した大学生、母の日に親を連れてきた市民の姿が目立った。


この日の便は時刻表通り午前11時13分に出航。乗客は座席前にあるQRコードで乗船登録を済ませ、舳先に出て開けた漢江の景色を楽しんだ。


前日に観光でソウルを訪れていたオランダ出身のガン(Gan、21)は、運航が安定しているうえ漢江を眺められる点を評価し、「アムステルダムのフェリーに似た交通手段があるが、ハンガンバスのほうが少し良い」と話した。


高校の卒業写真撮影を終え、麻谷船着場から短く漢江を眺めようと乗船したソ・ヒョンテ(18)は「空気が本当にいい。学校の暗い景色ばかり見ていたから、漢江を見ていると癒やされる」と語った。


8日、市民や観光客が汝矣島付近を通るハンガンバスの舳先に出て漢江の景色を眺めている様子。
観光客だけでなくランナーやサイクリストの関心も高い


この日は西風が4〜6m/s(約6〜10km/h)で、いわゆる向かい風のため汝矣島から麻谷に向かうランナーや自転車のライダーの姿が目立った。向かい風の中を走ると体力消耗が早いため、追い風で走れる地点に移動する手段としてハンガンバスが使われている。


とくに自転車利用者にとってハンガンバスは歓迎される存在だ。地下鉄での自転車持ち込みは週末のみ許可されているため、平日はハンガンバスが自転車を積んで移動できる事実上唯一の選択肢になっている。


狎鴎亭(압구정)から麻谷へ移動するためハンガンバスを利用したヨム・ギヒョン(44)は、普段は麻谷から狎鴎亭へ自転車で移動するが、この日は向かい風が強く麻谷まではハンガンバスを使ったと説明。こうした気象条件なら自転車は大変だが、ハンガンバスの運航で条件に左右されずに移動できるようになったと話した。


ハンガンバス、ソウル観光の新たなランドマークに…乗客数も急増


ハンガンバスは大きく電気船とハイブリッド船の2種類で運航している。電気船は電気モーターのみで走り、乗客約100人を収容する。ディーゼル船に比べて静かなため、水面に反射する光を眺めるには適している。


ハイブリッド船はディーゼルエンジンと電気モーターを併用し、環境面での配慮に加え電気船より高い出力を発揮する。さらに電気船より多い約150人の乗客を乗せられる点も利点だ。


平均速度は電気船で17ノット(約31.5km/h)、ハイブリッド船で15ノット(約27.8km/h)程度で運航されている。


ハンガンバスがソウル観光の新ランドマークとして注目されるにつれ、乗客数も増加している。ソウル市によれば、全区間運行を再開した3月の乗客は6万2491人、4月は7万6488人だった。とくに5月1日〜5日のメーデー連休には約2万3000人が乗船し、連休中の1日には運航開始以来の1日最多乗船数を記録した。


5日現在の累計乗客数は、3月の全区間再開後で16万2422人に達し、昨年9月の正式運航開始以来の総累計は26万7357人を突破した。ソウル市は春の漢江行楽需要がハンガンバスの利用増につながっていると分析している。


8日、ハンガンバスの電気船内の様子。座席間隔がゆったりし快適な乗り心地を提供している。
市は乗客の利便性を継続的に改善…市民からは不満の声も


需要増を受け、市は運営会社の(주)한강버스と連携して乗客の利便性を改善している。既に望遠(망원)船着場とトゥクソム(뚝섬)船着場周辺に展望休憩所を新設し、利用者の反応は良好だ。


今月中には汝矣島ハンガン公園など、漢江に近い6つの船着場(汝矣島、뚝섬、蚕室、압구정、玉水、麻谷)を「水辺拠点区」に指定し、リバービューガーデンを整備。パーゴラやハイテーブルなどの休憩設備を設け、ハンガンバス利用者に憩いの場を提供する計画だ。


ハンガンバス車内にはソウル観光財団が提供する観光案内冊子が置かれている。冊子は英語、日本語、中国語(簡体字・繁体字)、タイ語で提供される。


10月までソウルの森一帯で開かれる2026ソウル国際庭園博覧会に合わせ、汝矣島とソウルの森の臨時船着場を結ぶ路線が20日から10月27日まで運航される予定だ。


ただし乗船した市民や観光客からは不満も聞かれる。とくに急行路線が未整備で乗り換えが不便だという声が大きい。


現状、ハンガンバスは乗客需要が多い汝矣島船着場を中心に東部(蚕室〜汝矣島)と西部(麻谷〜汝矣島)で分割運行している。たとえば蚕室から麻谷へ行く場合、途中の汝矣島で一度下船して20〜30分待ってから再乗船する必要があり、利用者には面倒だ。


ソウル市の担当者は、当面は分割路線で運行を続けた後、急行路線の新設を検討すると説明している。


8日、麻谷船着場に掲示されたハンガンバスに関する各種案内板。


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