“驚きの価格!人気ブランドが大セール中♡”

キム・ダニエル | 2026.03.30

引用:報道資料
引用:報道資料
「全て並行輸入で入ってきた正品だ。信じても差し支えない。」 先月14日、ソウル東大門区のショッピングモール。『シーズン終了のさよならセール』と大書された横断幕が1階の外観を覆い、通行人の目を引いていた。入口のスタンドにはアミやポロ・ラルフ・ローレンといった人気ブランドのロゴ入り半袖Tシャツが、わずか2万9000ウォン(約3,078円)で並んでいた。店員は「並行輸入で入れている」と説明した。

会場に足を踏み入れると、まるでアウトレットをそのまま移してきたかのように多種多様なブランドが並んでいた。ポロ・ラルフ・ローレン、ラコステ、アミ、メゾン・キツネ、カルバン・クライン、カーハート、トミー・ヒルフィガーといったカジュアルの人気ブランドに加え、アークテリクス、アロー、ナイキ、アディダス、ニューバランス、スパイダーなどスポーツブランドの製品も多く並んでいた。マリテ・フランソワ・ジャバーやイミスといったKファッションブランド、ゴルフウェア、さらには高級時計やバッグの売り場も設けられていた。

貼られた値札を見て来場者の驚きはさらに大きくなった。韓国内の公式販売価格が27万9000ウォン(約2万9,616円)のポロ・ラルフ・ローレンのケーブルニットは6万9000〜9万9000ウォン(約1万509円)で出されていた。23万9000ウォン(約2万5,370円)のスウェットシャツは6万9000ウォン(約7,324円)で販売されていた。ハートワッペンが特徴の45万5000〜48万5000ウォン(約5万1,483円)のコム・デ・ギャルソンのカーディガンは12万9000〜15万9000ウォン(約1万6,878円)で、アローのクルーネックプルオーバー(本来は17万8000ウォン(約1万8,895円))は6万9000ウォン(約7,324円)にすぎなかった。

アミやメゾン・キツネなど一部ブランドの服には、正規品認証と見られるQRコードが付いていた。スマートフォンのカメラで読み取ると商品ページに遷移し、製品写真とともにシリアルナンバーや工程ごとの製造国が表示される仕組みだった。

正規品と見紛うほど精巧なロゴやラベル、QRコードがあるため、若い消費者たちも「安すぎる」と言いながら次々とカートを埋めていた。カップルでコム・デ・ギャルソンのカーディガンを2着購入したり、プレゼント用に写真を撮って送り合う姿も見られた。

レジで「正規品か」と記者が最後に確認すると、販売員は「偽物を露骨に売るわけがない」と反論した。店の一角では商人が誰かと電話しながら「アルバイトで偽物が見つかったらおしまいだ」と漏らす場面もあったが、全体としては自信に満ちた受け答えが目立った。

▶聖水のポップアップからライブ配信まで…『偽物』の急増=近頃、国内外の有名ブランドのセールポップアップストアが雨後の筍のように増えている。「倒産整理」「倉庫大放出」といった在庫処分を名目に、最大で80〜90%オフと謳うケースがある。並行輸入を通じて中間流通マージンを省いた正規品だと宣伝する例も目立つ。並行輸入とは、公式の輸入業者ではない一般の輸入業者が製品を国内に持ち込む方式だ。

今年に入っても「ポップアップの聖地」とされるソウル聖水洞をはじめ、ソウルと首都圏の大型マートやショッピングモールで相次いで開催されている。通常は数社がマートやモールの余剰スペースを短期(一週間程度)から最長一か月ほど借りて運営する形式だ。ポップアップがSNSで告知されると情報は瞬く間に広がり、「人気ブランドを安く買えるチャンス」として拡散される。

インスタグラムやユーチューブのチャンネルを使ったライブコマースも盛況だ。確認したライブ配信はどれも、有名ブランドの商品で埋められた大型倉庫から配信されていた。契約した並行輸入業者が運営する倉庫で、在庫整理のために大幅値引きしていると宣伝していた。扱われるブランドはポロ、アミ、アロー、アークテリクス、オン、ホカなどいずれも人気ブランドだった。

ライブ配信での購買手順も共通している。配信を見ながらコメントで購入商品と色、サイズを伝え、入金後にカカオトークで確認メッセージを送る。販売者は配信中に購入者が選んだ商品を見せ、カカオトークで発送予定日を知らせる。放送中に「社長が気前よく値引きしてくれた」と称して1万〜2万ウォン(約3,185円)の追加割引を提示し、2回目の購入を促す演出も少なくない。

高価格帯の人気ゴルフウェアも並行輸入サイトやSNSチャンネルで多く取り扱われている。ジーフォー、マーク&ロナ、ジェイ・リンドバーグなどを扱うというプレミアムゴルフ衣料のショッピングモールに正規品かどうかを尋ねると、20万〜30万ウォン(約5万3,075円)台の衣類が10万ウォン(約1万615円)前後で販売されているという。業者は「正規品とそっくりに作られたレプリカ(模造品)と、正規品の『正ロス』がある。正ロスは海外配送で持ち込み、半額から3分の1程度の価格で提供される」と説明した。

引用:報道資料
引用:報道資料
▶本社に照会すると『偽物』判定…インフルエンサーの共同購入も不安=本誌はポップアップやユーチューブのライブコマースを通じ、アミ、コム・デ・ギャルソン、メゾン・キツネの衣類を購入して検証した。ライブ配信で買ったアミのカーディガンは11万5000ウォン(約1万2,207円)で、ハート型とアルファベット「A」をあしらったインターシャニットのカーディガンを連想させる製品だった。該当製品の公式輸入価格は109万ウォン(約11万5,704円)だった。ポップアップで購入したアミのロゴ半袖Tシャツは2万9000ウォン(約3,078円)で、公式販売価格(28万5000ウォン(約3万253円))の約10分の1に相当した。コム・デ・ギャルソンのハートロゴカーディガンは12万9000ウォン(約1万3,693円)、メゾン・キツネのフーディは12万8000ウォン(約1万3,587円)で購入した。公式販売価格はそれぞれ46万5000ウォン(約4万9,360円)、43万5000ウォン(約4万6,175円)だ。

購入した製品を公式輸入業者の三星物産を通じて各ブランド本社に送り、正規品かどうかの確認を依頼した。1〜2週間後に届いた回答はいずれも偽物であるという判定だった。メゾン・キツネ本社は「本製品は偽物であると確認した。ロゴの刺繍処理が不十分で、素材も当社の標準素材と異なる」と述べた。アミとコム・デ・ギャルソンも素材やロゴなどが正規品と異なると認めた。

購入したアミのTシャツに付いていたQRコードが接続する正規品認証サイトも、公式サイトを装った「幽霊サイト」であることが確認された。アミ本社は「アミが提供するものではない」とし、「アミが作成したQR認証サイトは製品の製造過程や流通経路を透明に示すためのものだ」と説明した。

本誌はフォロワー40万人を抱えるインフルエンサーが進行した共同購入で、ポロ・ラルフ・ローレンのクォータージップニットセーターを10万2500ウォン(約1万880円)で購入した。正規品の証明書が添付され、正規品と宣伝されていた製品だった。類似素材の正規品は29万9000ウォン(約3万1,739円)で販売されている。該当製品を正規品と目視で比較すると、ロゴや付属資材に差異が見られた。

ただし、ポロ・ラルフ・ローレンの衣類に関してはブランド本社や韓国名品鑑定院、大韓名品鑑定院などで正・偽物の判定サービスが提供されておらず、百貨店の店頭でも「正規品かどうかの判別は困難だ」としていた。そのためブログや掲示板には、購入した並行輸入品が正規品でないのではないかと疑う投稿が相次いでいる。本誌が参加した共同購入を主催したインフルエンサーが偽物を販売しているのではないかとの疑念を示す投稿も確認された。

事態が深刻化する中、当局も偽物衣類の摘発に乗り出している。今月初め、関税庁仁川本部税関はポロ・ラルフ・ローレンの偽物衣類5万着(時価110億ウォン(約11億6,765万円)相当)を流通させた一味を摘発した。彼らは海外で1着当たり6000ウォン(約637円)で仕入れた服に偽のラベルを付け、17万ウォン(約1万8,046円)にまで値上げして販売していたとされる。ファッション業界関係者は「正規品を忠実に模した偽物が横行し、流通秩序が乱れている。ロゴやラベルだけでなく、正規のQRコードを複製して偽物のタグに貼る事例まである。インターネットのショッピングモールやライブコマースを介して流通する偽物を根絶する必要がある」と指摘した。

강승연·박연수·김진 記者