【アジアタイムズ 영남취재본부=구진홍 기자】「自首すれば過怠金免除、通報すれば報奨金最大5億ウォン」
6・3地方選を前に、慶尚北道ヨンドク郡の各地には、普段の選挙期にはほとんど見られない強い文言を掲げた横断幕が目立っていた。
アジアタイムズの取材陣がヨンドク邑、南正面、江口面など主要な邑・面を直接巡回して確認したところ、ヨンドク郡選挙管理委員会が掲げたいわゆる「金権選挙根絶」を呼びかける横断幕は、住民の目に付きやすい沿道や交差点、生活圏の中心に集中して掲げられていた。
横断幕には「金品提供・受領通報」「秘密保障」「最大5億ウォン報奨」といった文言が繰り返し打ち出されていた。一般的な公正選挙の広報を超え、住民に積極的な通報と自首を促す空気が作られている。地域住民の間でも「選管が今回は本気で臨んでいるようだ」という反応が相次いだ。
今回の選管による異例の集中広報は、最近の国民の力・ヨンドク郡長予備選の過程で浮上した金品受領や代理投票の疑惑と無関係ではない、という見方が地域では優勢だ。実際、地域政界では党員募集の過程での金品提供疑惑や組織的な選挙介入を巡る論争が続き、民心が大きく揺れている。
記者が現場で接した住民も「この程度の横断幕なら、単なる予防の域を超えているのではないか」と口にした。
ヨンドク伝統市場付近で会った商人は「これまでも選挙のたびに言葉は多かったが、今回は雰囲気が本当に異常だ」と話し、「金で票を買い、組織で動く選挙はもう終わらせるべきだ」と声を上げた。
南正面の住民は「選挙は政策と人を見て行うべきなのに、まず金の話が出ると住民のプライドが傷つく」と述べ、「誰が当選しても不法があれば徹底的に捜査して責任を問うべきだ」と話した。
江口面の自営業者は「選管が公然と『通報すれば5億』と掲げるほど地域の雰囲気が汚染されていることを示している」と指摘し、「不法選挙が繰り返されれば最終的に被害を受けるのは住民だ」と警告した。
実際、地域では金権選挙の疑惑が事実と認定された場合、当選無効や再選挙に伴う社会的コストを懸念する声が強い。再選挙が現実化すれば数十億ウォンの予算負担と行政の空白が生じ、結局は住民の負担になるためだ。
こうした懸念の下で、選管が早期に強い警告を出した背景には「事後処罰」ではなく「事前の遮断」に比重を置く狙いがあるとの分析がある。選挙終了後に当選無効が相次ぐ最悪の事態を避けるため、選挙前に不法行為を明らかにしようという意志が反映されていると受け止められている。
しかし地域の雰囲気は既にかなり冷え込んでいる。住民の間では「誰かが自首しに行くのではないか」といった冗談まじりの声まで出ており、選挙の話題が出ると互いに気を使う空気が広がっている。ある住民は「今や住民同士でも選挙の話自体を避ける雰囲気だ」と述べ、「地域共同体の信頼が崩れていくのは残念だ」と語った。
今回の事態は、特定政党の公認過程が地域の民意に優先するとどんな副作用が生じるかを端的に示しているという指摘もある。地域政治が政策競争ではなく組織動員や金権疑惑で汚されれば、民主主義の基盤自体が揺らぐ恐れがある。
現場で確認した住民の共通の反応は「クリーンな選挙を望む」という単純だが切実な要求だった。住民は特定候補の有利・不利を超えて、不法疑惑の徹底的な真相究明と厳正な法執行を求めている。
ヨンドク郡選挙管理委員会の異例の横断幕は単なる選挙広報ではなく、現在のヨンドク地域政治が直面する現実を象徴するものだと評価されている。今後、捜査機関が金権選挙や不正な予備選の実態をどこまで明らかにできるか、今回の事態がヨンドクの政治文化全体をどのように変えるかに地域の注目が集まるだろう。